さすがに毎週連続ではいかがなものかと思いつつ今週も行くことになった。
今回は前回の反省も踏まえつつ、前日に飲み過ぎることもなく、珍しいことに出だしは順調であった。
しかし途中どうしても買いたいものがあった。
ダウンのパンツである。
私は実のところ、あのようなブルーシートやら、バケツの焚き火台を使用しているものの、お洒落を考えなければならぬアパレル店員なのであるが、もはや防寒の為に凄い格好をしている。店長が見たら何と言うだろうか。
ダウンのパンツがあれば、あそこまで下半身が着膨れることもなかろう、重ね着にも程があるほど重ね着しているが、やはりダウン素材の物があれば心強かろうから、探して行こうという話になった。
しかしながら、ないのである。どこにもない。元々アパレル店員のくせに、店員に話しかけるのが苦手な為に、訊かずに買い物をしたいのだが、そんな意志すら捨てて尋ねても、どこにも無いのだ。いや、WILD-1にはあった。でも2万ぐらいした。
それは無理であろう。この貧しき人々には。
本日はこれを諦め、炭と薪だけを購入。
遠刈田公園であるが、ここは事前許可が必要とのこと。そこで電話連絡をしてみると、特別届け出なくてもいいけれども、火やら何やらは自己責任でね、とだけ言われた。焚き火台使用で良いらしい。
とりあえず行く。
食材入手の為に、途中で買おうなどと相棒と話しているうちに、どんどん農村地帯が広がってくる。
いつも何処にでもスーパーなどはあるものと思っていると、意外と無い。村田町に差し掛かり、危機感を覚えてカーナビで検索してみるとはたしてスーパーはあった。地元感満載のスーパーである。
そこで食材、ゴミ袋、カイロを買う予定であった。しかしながら我々はアホウであった。仙台市民のくせに、仙台市外のゴミ袋を買ったところで家のゴミ集積所で回収してはくれないのである。致しかたなしに、車内から寄せ集めた袋を使用することにする。帰りに購入し、入れ替える。また、こんなに寒いのにここのスーパーにはカイロがなかった。やむを得ない。薬局やコンビニにならあるであろう。やはり我々は準備が悪い。
食材は変わらずソーセージ、カット野菜。今回はキムチ鍋にしたいので、豚肉、豆腐。
そして輸入牛肉のカレー用が安かったので、これを串に刺してバーベキューにする。
酒はいつものビール、やっすいワイン。
町の薬局という趣のお店があった。急いで愛車餅男さんを止めて、私だけ入店する。やはりシーズンなので、目立つところにカイロはディスプレイされているが貼るタイプしかない。ガサガサと漁っていると、親切な店員の奥様が、貼らないやつ?と聞いてくれる。そして奥の奥の方から取り出し、尚且つ寒いならお飲み、と謎の黒い温かい飲み物をくれた。黒飴を溶かしたような味わいである。これは身体が芯から温まるらしく、相棒にも飲ませたかったのでお礼してお会計をして出てきた。人情に触れる良い旅である。
そこから間も無く到着する。公園である。
駐車場からサイトまでは遠くない。見ると、既に楽しそうに飲み、焚き火をしているグループがいる。鬱の相棒と、シャイニング(恥ずかしがるの意)を発動している私は、そこからだいぶ離れたところに相変わらずのブルーシートタープを設営しだす。ブルーシートタープの下にはサウスフィールドのテント。今回は、相棒父より借りた3人ほどが寝られる年季の入ったテントもあるので、これを換気しがてら設営する。そしてこれに荷物をドカドカと入れる作戦である。居住テントとタープ、荷物用テントでL字型に周囲を固め、私たちは遠方に見える美しいテント達の視界を遮った。
ペグがなかなか入っていかず、相棒が痛々しく頑張っている。相棒よりもいくらか非力な私は細々としたものを整理したりしてお茶を濁すがこれを済まなく思う。
ゆるゆると設営し、夕餉である。
ひどい画像。このキムチ鍋は美味いのだが、美味そうに見えない不思議。
ここは道路が目の前にあり、バンバン車が通る。
安心感はあるが、なんだか申し訳ない気持ちになってくる。
寒い中でもビールを飲み、早々と寝支度をする。保冷剤を忘れて来ていたが、この気温では問題なかった。
寒いので、相棒のおすすめドリンクをご紹介する。
ほっとレモンの液体とお湯を規定量の割合で入れる。4:1くらい。これにウィスキーをひと匙加える。
身体も程よく温まり、アルコールも強くないので二日酔いにもなりにくい。
翌朝はのんびりした。
やはりチェックインやアウトが決まっていないところは気軽だ。
恒例のゴミ拾いと、着火剤として使う松ぼっくりを拾い、お世話になった公園を出る。
付近で美味しいと言われているラーメンを食べる。
確かに美味しかった。
付近で最も安いであろう温泉に入って身体を温めてから帰路についた。
何故か鎌倉温泉という。
ダウンパンツはもはやネットで購入するしかないかもしれぬ。
そろそろ仙台も雪景色である。